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歳取ると、ひとり言増えるよね・・

右目・・ep8【瘡蓋】

 

目は身体の中でも群を抜いて高い再生能力を持っているそうだ。皮膚に比べると、目の表面の再生速度は約10倍も速いらしい。

その後、目の出血は黒色化が進み、補填に用いた羊膜を押し上げるように隆起し始めた。その様相は少々ホラーで、例えるなら目に瘡蓋ができているような状態だ。見た目だけを見れば悪化しているようにしか思えないのだが、日を追うごとに確実に変化している。

左腕には、手術の際に点滴をした跡が残っている。術後は50ミリ四方ほどの黒紫色の内出血が広がっていたが、2週間経った今では半分ほどの大きさになり、色も赤茶色へと変化してきた。

一方、目の出血痕は1週間ほどで縮小し、黒くなっていた部分が再び赤みを帯び始めた。新たな出血ではなく、血流が戻り、治癒が進んでいる証と考えてよさそうだ。腕の内出血と比べても、その回復は明らかに早い。冒頭で知った「目の再生能力の高さ」を、まさに自分のカラダで実感している。

今回の出血は、一見すると悪い変化のように思える。しかし実際には、血液が羊膜の下の隙間を埋めることで、再生中の組織を守る緩衝材の役割を果たしているという。さらに血液には、傷を修復するための成長因子や血小板などが豊富に含まれており、固まった血液そのものが、周囲の組織の修復を助ける働きもしている。

皮膚の瘡蓋は役目を終えると剥がれ落ちる。しかし目では少し事情が違う。再生した結膜に包まれながら、内側から少しずつ吸収され、やがてその役目を終えるそうだ。

今の目の状態は、ちょうどその途中なのだろう。見た目はまだ痛々しいが、腕の内出血よりも早いペースで回復が進んでいることを思えば、あのホラーな瘡蓋も、静かに役目を終えようとしている最中なのかもしれない。

1週間後には主治医の診察が控えている。その頃には、さらに改善が進んでいるはずだ。

カルテには「出血で連絡あり」と記録されているだろうが、「この程度で慌てるな」と、女王様に心の中で叱られてしまうかもしれない・・・

 

 

PH

 

 

 

 

 

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