それは月曜日の深夜から始まった。
夜更かしをしてしまい、いつも以上に目が疲れていた。乾燥した時に感じるような、少しヒリッとした違和感。寝れば治るだろう。その程度に考えて床についた。
しかし翌朝になっても疲労感は抜けない。特に左目にはゴロつくような感覚があり、仕事をしていても普段以上に目が疲れた。
そしてその翌日・・・
寝ている時から左目の奥に鈍い痛みを感じていた。朝起きて鏡を見ると充血している。そして何より光が染みる。日差しはもちろん、室内照明ですら痛みを伴う。
右目の手術まで残り1週間。この状態はまずいと思い、主治医の判断を仰ぐことにした。
病院へ向かう道中も、とにかく光が辛かった。外の日差しはもちろん、建物の照明からも逃げ場がない。病院に着く頃にはすっかり疲れ果てていた。
あいにくこの日、主治医は手術対応中で外来には出られず、別の医師に診てもらうことになった。
診断は「ぶどう膜炎」。
「光が染みる」という症状が特徴的なのだそうだ。
点眼薬を処方され、採血を実施。検査結果を確認しながら主治医と相談しましょう、ということでその日は帰宅した。
帰宅後すぐに点眼を開始した。疲れもあって、そのまま日暮れ近くまで眠ってしまう。
いつもなら大好物の夕暮れの柔らかな光も、この日ばかりは毒でしかなかった・・・
そんな状況が劇的に好転し始めたのは、寝る前に3回目の点眼をした頃だった。光に対する過敏な反応が和らぎ、翌朝には充血もかなり引いていた。少なくとも、光に怯える必要はなくなっていた。
午後になり主治医の診察を受ける。
症状の経過を聞き、目の状態を確認した主治医は、
「薬が非常によく効いています。症状も劇的に改善しています」
と説明してくれた。
ただし続けて、
「これは一時的な改善かもしれません。薬を減らすと再燃する可能性があります」
「また現在使っている薬は強力なステロイドなので、長期使用は避けたい」
とも話した。
説明は丁寧なのだが、なかなか本題に入らない。
こちらから手術について尋ねると、ようやく主治医は本音を口にした。
「右目の手術をすると、術後1か月ほどは不快な状態が続きます。そこへ左目の炎症が重なれば、かなり辛い状況になります。それでも予定通り手術を行いますか?」
それを聞いて、僕は少し拍子抜けした。
確かに術後の回復期に左目の炎症が重なれば厄介だろう。しかし今は対処方法も分かっている。得体の知れない恐怖と向き合う必要はない。
僕がやるべきことは、その嵐に耐え、過ぎ去るのを待つことだけだ。
主治医には、予定通り手術を受ける方向で考えていると伝えた。
週明けには血液検査の結果も揃う。その内容を踏まえて最終判断になると思う。
僕自身は昨日で今月の仕事を締め、術前・術後の療養休暇に入った。月曜日の診断次第では予定変更もあり得るが、気持ちはすでに次のステップへ向いている。
昨日は久しぶりに目の見え方が良く、仕事もよく捗った。
術後、再びこの状態まで回復できることを願うばかりである。
EF-40mm F/2.8 STM + Fringer EF-FX ProII + X-T30
